あさぎり会計事務所の税理士の藤田です。
確定申告が終わり、桜が咲き、新年度がスタートします。
弊所では、確定申告が終わると一年が終わった気分になります。
ほっと一息つける時期です。
これから増えるのが税務調査です。
税務署も確定申告が終わり、税務調査に着手をしようとします。
本日は、この税務調査に関する内容です。
会社の資産を個人的に流用
● 制 度 の 概 要
税務調査において、会社の資産を個人的に流用している場合に、役員賞与と
指摘される場合があります。
役員賞与になった場合には、損金不算入となり、更に源泉税(所得税)の追加が発生します。
例えば下記のようなケースがあります。
法人の資金を流用して、子供の教育資金に使用した。
法人の資金を流用して、個人名義で株式投資をした。などなど
今、弊所が担当している税務調査でも、上記のようなケースで会社の資産を
個人的に流用したという理由で、役員賞与になると指摘されています。
役員賞与になると源泉徴収漏れになります。
この場合、追加で本税の他に不納付加算税(10%)と延滞税が課税されます。
更に、個人所得の計上漏れになるので、所得税、住民税も追加で納付しないといけません。
尚、源泉税を追加で納付している場合には、増額所得税から増額源泉税を
差引いた税額を納付することになります。
この為、個人が高額納税者の場合には、多額の税金を支払わなければいけなくなります。
● 実 務 上 の 留 意 点
法人の資産を個人的流用されている場合でも、必ず役員賞与になるとは限りません。
平成15年 神戸地方裁判所では、「個人的な流用されたものであるから個人に対する
貸付金として評価することができる」とされた判決があります。
個人的に資産が流用されている場合にも、役員賞与にならないケースが判決事例でもあります。
しかし、税務署と見解の相違の際に、納税者自身の方が法律的に説明するのは難しいと思います。
報酬が発生しても、信頼できる税理士にお願いをすることをお勧めします。
税務調査の対応は、税理士によって大きく変わります。
編 集 後 記
今回の話はどうでしたか?税務調査において税務署の指摘が絶対に正しいと
思ってはいけません。法律、判決事例などを基に反論することが大切です。