少数株主の反乱
● 概 要
ご存知だとは思いますが、株式会社では、多数決により議決権(注)の数で 全ての事が決定されます。 しかし、議決権を過半数超持っていても100%安心とは言えません。 会社存続に係る内容など特別決議の場合には2/3以上の議決権が必要なのです。 以上から、まずは2/3超の議決権を持っていればひと安心と言う事です。 しかし、今回の話には続きがあります。 窮鼠ネコを噛むではないですが 少数株主の権利があり、時には厄介になる場合があります。 (注)株式数としなかったのは、1株式=1議決権ではないからです。 1株に対して議決権を複数にする事が可能です。 |
● 少数株主の権利
少数株主でも実は多くの権利が認めらています。 沢山あるので詳細な説明は割愛します。 〇 議決権1%または議決権300個 多重代表訴訟提起請求権(会847の3) 株主総会議題提案権(取締役会設置会社)会社法303 議案通知請求権(取締役会設置会社)会305 株主総会の検査役選任請求権(会306) 〇 議決権の3%または発行済株式の3% 業務執行に関する検査役の選任請求権(会358) 会計帳簿閲覧請求権(会433) 役員解任請求権(会854) 清算人解任請求権(会479) 〇 議決権の3% 役員等の責任軽減への異議権(阻止権)会426 株主総会招集請求権(会社法297) 〇 議決権の10%または発行済株式の10% 会社解散の訴え提起権(会833) 〇 議決権の10% 募集株式発行時の株主総会請求権(公開会社)会206の2 募集新株予約権発行時の株主総会請求権(公開会社)会244の2 結構あると思いませんか!! 例えば、上記で黄色で塗った「会計帳簿閲覧請求権(会433)」 を 行使すれば、会社の帳簿を見る事が出来ます。 同族会社では、社長の私的流用が大なり小なりあると思いますが、 程度が大きければ「横領」に認定され、損害賠償請求に発展するかもしれません! その他にも、権利を行使すれば、会社の調査等は可能になる訳です。 お伝えしたいのは、権利を盾に嫌がらせが可能なのです。 的には株の買取でしょう。 散々、嫌がらせして株価を吊り上げ 株を売って一儲けという図式です。 上場していない株なんて売買も出来ないし、配当すら貰えないのが現状です。 この様な権利を盾に、オーナーに買い取らせれば紙屑が諭吉に代わります。 よく、相続税対策などで、持株会社作ったり色々な方法で株式を分散させる方法が 散見されます。 確かに、相続税の節税になる場合は多いと思いますが、 それでいいのでしょうか? 株式を分散させた結果、相続人等が少数株主の抵抗により、後々、苦労するかもしません! この様なスキ-ムを推奨する銀行や税理士など沢山いますが目先の事だけに捕らわれず 動くようにして下さい。 これが、今回、私が一番お伝えしたかった事です。 |
編集後記
今回の話はどうでしたか?
最近は、何でも法律を盾に動く風潮があります。
今回の様な情報もネットで溢れています。 少数株主が気付く前に買い取るなど対策する事をお勧めします。