あさぎり会計事務所の税理士の山根です。
1月も3週間が経ちましたが本年も宜しくお願いします。
新年早々に富山北陸で大地震がありました。
被災された方に本当にお悔やみ申し上げます。
辰年は12支の中で唯一架空の生物で、大きな変化が起こる年と言われています。
過去には、「ロッキ-ド事件」「リクルート事件」が起きており、年末からの政治資金パーティ-を巡る問題で何か大事件に発展するかもしれません!
逆に、悪い事ばかりではなく、良い事も起こっています。
「東京オリンピック開催」「東京スカイツリ-開業」など明るいニュ-スもあるので、今後は、良い事が起こってくれればと願っています。
さて、今回のテーマですが、毎年、この時期にお伝えしていますが「令和6年度税制大綱」についてです。
令和6年度税制大綱
● 所 得 税・資 産 税
1.定額減税
(内容)
令和6年分の所得税及び住民税から下記金額を控除する。
所得税:本人、配偶者及び扶養親族は:3万円×人数
住民税:本人、配偶者及び扶養親族は:1万円×人数
(控除方法)
給与所得者(サラリーマン)・公的年金受給者は、6月分の源泉徴収税額及び特別徴収税額から随時控除されます。
事業所得者は、減額申請により第1期予定納税及び第1期個人住民税から随時控除されます。
尚、令和6年分の合計所得金額が1,805万円超(給料の場合には収入2,000万円超)方は、対象外です。
2.住宅ローン控除
子育て特例対象個人(夫婦のいずれかが40歳未満の者又は19歳未満の扶養親族を有する者)が、認定住宅等の新築等をして令和6年中に入居した場合の控除対象借入限度額を上乗せされます。
また、子育て世帯で合計所得金額が1000万円以下の場合には、床面積要件を40平米以上とする緩和措置について、令和6年12月31日以前に建築確認済みの新築住宅を対象とされます。
尚、一般住宅の場合には、住宅ローン控除の制度は令和5年度で終了(令和5年度までに建築確認を受けている場合を除く)しています。
3.リフォ-ム促進税制の拡充
現行、バリアフリー、省エネ対策などに限られているリフォーム促進税制の対象に家事や育児負担の軽減につながるリフォームも対象に加えられます。
4.住宅取得等資金の贈与の非課税の延長
適用期限が令和8年12月31日まで3年延長されます。
5.その他
上記の他、「16~18歳の扶養控除の縮小」、「ひとり親控除の拡充」、「生命保険料控除の拡充」が改正されますが、適用が令和7年度からなので今回は割愛します。
● 法 人 税
1.賃上げ促進税制の強化
従来の賃上げ率の要件を維持しつつ、控除率が見直されます。
また、教育訓練費を増加させた場合の上乗せ要件が緩和されるとともに、「子育てと仕事の両立支援」や「女性活躍の推進の取組み」に積極的な企業に対する控除率が上乗せされます。
これらの改正により中小企業は現行の40%→45%に引き上げられます。
更に、今回の改正により赤字で法人税の納税が発生しない場合にも、翌期以降に5年間、控除額を繰り越すことができるようになるので、将来、利益が発生し、法人税の納税が発生した場合に控除することが出来るようになます。
2.交際費の取扱い
中小企業では、交際費を年間800万円まで損金算入できる特例制度が令和9年3月31日までに開始する事業年度まで延長されます。
また、交際費から除かれる飲食費等の基準が1人当たり5,000円から10,000円に引き上げられます。
尚、この適用は、令和6年4月1日以後に支出する飲食費等が対象となります。
3.中小企業のM&A税制の拡充
現行、中小企業がM&Aで株式を取得した場合には、取得金額の70%を損金算入出来る制度が100%に拡充されます。
また、損金算入された金額は、5年後から5年かけて益金に算入されますが、この期間が10年後からに延長されますので課税の繰延効果が高くなりました。
尚、この制度を適用する為には、産業競争力強化法の改正法の特別事業再編計画(仮称)の認定を受ける必要がります。
4.経営セフティ-共済を再契約する場合
経営セフティ-共済(倒産防止共済)は、最大累計で800万円まで損金算入することが出来ます。
今回の改正で、何かの事情で解約し、その後、再契約した場合には、解約から2年以内は損金算入出来なくなります。
尚、この改正は令和6年10月1以後の解約から適用されます。
編 集 後 記
今回の話はどうでしたか?
所得税関係では、少子化対策を意識した改正、法人税関係では、物価高を意識した改正となっています。
また、取り急ぎ考えないといけないのは「経営セフティ-共済」の取扱いかもしれません。
損益の状況を見ながら10月までに解約、再契約の検討をしてください。