★あさぎり通信VOL.172 はぐくみ企業年金

あさぎり会計事務所の税理士の山根です。
今年になってから株価の上昇が凄いですね!
2月になっても企業の好決算を背景に更に爆上がりしています。
個人的にはホクホクです。
しかし、実体経済とはかけ離れているのですが新NISAの影響も大きいのかもしれませんね!
今後、インフレや円安に対応する為に資産運用はした方がイイのではなく、マスト(するべき)な気がします。
株や投資信託が難しければ保険を活用するなど方法は沢山ありますので、まだの方は検討してみてください。
又、弊所では、資産運用と節税を兼ねて企業型年金(401K)を導入しています。
本日、ご紹介するのは、上記に類似する「はぐくみ企業年金」についてです。

はぐくみ企業年金

● 制 度 の 概 要
(概要)
はぐくみ企業年金は、厚生労働大臣の認可を受けて設立された企業年金制度(確定給付企業年金)です。
当初、福祉や医療など、社会の発展を下支えする人たちの福利厚生や資産形成を支援するために設立された様ですが、現状では、業界業種や規模を問わず導入・加入出来ます。
(導入出来る企業等の条件)
厚生年金適用事業者であれば業態を問わず中小企業も導入可能です。
(加入対象者)
原則「厚生年金保険の被保険者」であることのみです。
従業員だけでなく、経営者や役員も加入できます。
(掛金について)
掛金は、毎月1,000円から拠出でき、最大で月額給与や報酬の20%まで拠出することができます(上限は100万円まで)
尚、掛金は、会社や事業主が全額を負担し、全額が損金の対象となります。
(受取方法)
一時金や年金として受け取れます。

● 実 務 上 の 留 意 点
次にメリット・デメリットついてです。
メリット
 1.税制上の恩恵
 掛金は、会社や事業主負担となりますが、その全額を損金計上できます。


 2.社会保険料の軽減
 給与を減額し、その減額した部分の全部または一部を「退職金掛金」に充当し、標準報酬月額の等  級を下げれば、会社も本人も社会保険料の軽減に繋がります。


 3.役員も加入出来る
 類似の中退共や特退共は、役員は加入出来ません!


 4.他の制度との併用可能
 企業型確定拠出年金(企業型DC)やiDeCo(イデコ)、中小企業退職金共済(中退共)などとの併用が可能です。


 5.採用力向上に繋がる
 企業のイメージアップに繋がり、採用力の向上や離職率の改善効果が期待できます。


 6.従業員のメリット
 〇 老後を考えたときに安心感が強い
 〇 「中途退職時」に受給できる
 〇 「選択制」を導入した場合、所得税、住民税などが軽減できる
 〇 加入しやすく、誰でも資産運用が簡単にできる
 〇 他の主要制度と併用可能


デメリット
 1.積立不足の問題
 これが最大の問題です!
 資産運用の結果によって約束した給付額に達しなかったときには、その差額を会社が負担して補填する必要があります。


 2.一定のコストがかかる
 退職金制度を整え、運用を続けるためには、一定のコストがかかります。


 3.加入者のデメリット
 デメリットかどうか分かりませんが、積極的自発的な資産運用が出来ない事です。
 確定拠出年金(DC)は、自分で資産運用ができるのに対し、確定給付企業年金は運用はすべて任せきりです。

編集後記

今回の話はどうでしたか?
役員も加入出来るのが魅力的だと思います。
問題は2018年創設と実績が少なく積立不足になるかもしれない点です!
不安な方は、自分だけ(役員)の加入でもいいのかもしれません。
該当のHPを掲載しておきますので気になった方は深堀してみて下さい。
https://hagukumikikin.jp/