★あさぎり通信VOL.171 能登半島地震災害義援金

あさぎり会計事務所の税理士の藤田です。
能登半島の地震により被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げます。
一日でも早く日常生活が戻ってくることを祈っております。
1か月が過ぎ、支援の輪が広がってきています。
直接支援ができなくても、間接的に義援金として支援をしたい方も多いのではないかと思います。
今回は、その義援金についてです。

能登半島地震災害義援金

● 義援金の種類について
義援金をした場合について、簡単に説明します。


1.直接県、市町村への義援金について
  現金の領収書又は受領書をもって寄付金控除及び損金算入ができます。


2.日本赤十字社経由での義援金
  現金の領収書又は金融機関の受領書をもって寄付金控除及び損金算入ができます。


3.日本財団経由での義援金
  個人の場合には、所得税の税額控除か所得控除を選択して確定申告することになります。住民税は、住まいの都道府県、市区町村により住民税の軽減が受けられます。全国一律ではありません。
  法人の場合には、一定の金額を限度額として損金算入することができます。
損金算入には、寄付金の明細書と領収書、また日本財団が公益財団法人であることの証明書が必要です。


4.テレビ局経由の義援金(サザエさん募金の場合)
   現金の領収書又は受領書をもって寄付金控除及び損金算入ができます。また、FNSチャリティキャンペーン事務局が発行する「預り証」が必要です。


5.中国新聞経由の義援金
 金額とお名前が新聞に記載されます。匿名希望もできます。
 税務処理については、今後決定する予定です。
 損金にできる義援金なると思います。


6.異業種交流会等経由での義援金
 所得税のメリットがなく、法人の場合には、一般寄付金として少額が損金算入できます。
 

● 義援金の税務処理
 義援金を支出した場合の具体的な税務処理については、下記の通りです。
個人の場合


 1.寄付金所得控除(特定寄付金に該当した場合)
 (寄付金の額-2,000円)→この金額が所得控除されます。ただし、(総所得金額の40%-2,000円)が限度額になります。
 一般的に広まっている「ふるさと納税」の制度と同じです。


 2.寄付金税額控除
 認定特定非営利活動法人(NPO)又は公益社団法人等で一定の者に対する寄付金は、上記1に変えて、税額控除の選択が可能です。
 (寄付金の額―2,000円)×40%→この金額が税額控除されます。ただし、所得税額の25%が限度額になります。
 税額控除の方が有利になるケースが多いです。


法人の場合
 主に下記の区分ごとに損金算入できる金額が変わります。


 1.国、地方公共団体に対する寄付金、財務大臣が指定した寄付金
  全額損金算入が可能です。


 2.特定公益増進法人等に対する寄付金
  損金算入限度額=(資本金等の金額×0.375%+所得金額×6.25%)÷2
 例えば、資本金300万、利益が500万の場合、約16万ぐらいが限度額です。


 3.その他の寄付金
  損金算入限度額=(資本金等の金額×0.25%+所得金額×2.5又は1.25%)÷2
 例えば、資本金300万、利益が500万の場合、約3万ぐらいが限度額です。

編集後記

今回の話はどうでしたか?義援金をどこでするかによって税務処理が変わります。税務の恩恵を受けたい場合には、直接行政にする方が手続きが簡単で良いかと思います。