★あさぎり通信VOL.174 相続登記の義務化

あさぎり会計事務所の税理士の山根です。
先週15日で、税理士業界で一番の繁忙期の確定申告が終わり一息ついています。
また、3月も半ばを過ぎ、最近では桜の開花予想など春の訪れが本当に楽しみです。
弊社では、4月になると新入社員が入社して来ます。
今年は2人入って来るので育てる不安と楽しみが交差しています。
さて、本日のテーマですが来月4月から始まる「相続登記の義務化」についてです。

相続登記の義務化

● 制 度 の 概 要
令和6年4月1日から、相続登記の申請が義務化されます。
現在、登記は任意で申請期限もない為、所有者が特定できない空き家や
空き地が増え、都市開発や公共事業が進まない等の社会問題となっています。
これらの事態の解消に向けて不動産の所有者を明確にする相続登記の義務化が決定された様です。
具体的には、相続人が、不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に、
相続登記する事が法律上義務となります。
正当な理由がないのに登記しなかった場合には10万円以下の過料が科せらる可能性があります。
注意点として、令和6年4月以前に相続した不動産を相続登記していない場合も
義務化の対象となります。
相続登記する為には、遺産分割協議を行い相続人間で決めないといけないので
早目に動く必要があります。

● 相 続 人 申 告 登 記
相続登記の義務化と言われても素人が自分で行うにはハードルが高いと思います。
そこで、簡易に相続登記の申請義務を履行することが出来る様に、
令和6年4月1日より「相続人申告登記」 が設けれました。

(メリット)
〇 相続人が単独で手間なく、費用もかけず申請できる
〇 相続登記の義務不履行による罰金を回避できる
相続人間で遺産分割等が出来ていなくても、相続人が単独で簡単に行う事が出来ます。

(デメリット)
〇 売却ができない
〇 遺産分割協議が成立した場合、二度手間になる
あくまでも登記の代用的な措置なので、売却する場合には正式な登記が必要です。
また、遺産分割協議が成立した場合にも正式に登記する必要があります。
繰り返しになりますが、上記規定は、罰則免状の為の暫定的なもので登記は完了してません!

編集後記

今回の話はどうでしたか?
相続登記の義務化に伴い「相続人申告登記」と言う簡便法が使えますが、
将来、売却等が可能な不動産なら最初から正式な登記をした方がいいと思います。
逆に、田舎の土地や山林などは、この簡便法で済ますのもありかもしれません。
制度を理解して使い分けを検討して下さい。