制 度 の 概 要
最近、弁護士が少数株主の味方になり、
少数株主の権利を行使して会社に株式を高く買い取るように請求したり、
「物を言う株主」として株式総会で発言をしたりする方がいる様です。
逆に弁護士が大株主の味方になり
少数株主の権利がなくなるようにアドバイスを行う方もいる様です。
この様な行為は、法律上、正しいことで何も問題がないのです。
小数株主、大株主双方にとって、
商法の正しい法律を身に付けることにより自分を守ることが出来るのです。
今回は、その中でも少数株主の権利について触れたいと思います。
実 務 上 の 留 意 点
少数株主の権利として下記のようなものがあります。
(1)単独株主権(1株以上保有している株主)
■取締役の違法行為差止請求権
取締役が会社の目的外の行為その他法令・定款に違反した行為を行い又は行おうとした場合に
取締役に対してその行為をやめることを請求する権利
■取締役会の議事録の閲覧請求権
■株主総会議事録の閲覧請求権
■株主総会の議題提案権
■ 刑事告発
会社に不利益な行為を行った場合には、背任罪になる可能性があります。
最近では、大王製紙の事件が有名ですね。
中小企業では、会社の財産、個人の財産の垣根がない場合が多いので、
少数株主がいる場合には注意しましょう!!!
ただし、中小企業の場合には、警察が受理しないケースが多い様です。
■ 損害賠償請求
取締役が違法行為をして会社に対して損害を与えた場合には、
損害賠償請求を行う事が可能です。
(2)少数株主権(3%以上保有している株主)
・会計帳簿の閲覧請求権
会計帳簿を閲覧し、不正行為を指摘し、株主総会などに提案ができたりします。
同族会社の場合、
節税対策、社長個人の経費が会社の経費に計上されている場合があります。
株主にとって、会社の利益が阻害されていることが多いです。
・株主総会の招集請求権
・取締役の解任請求権
株主総会において解任の議案が否決された時に裁判所に訴えることができる権利
裁判が終わるまでには時間と費用が掛かります。
業務的には、嫌がらせをすることが十分に可能です。
少数株主から訴えられた場合、
めんどくさいので高い金額で株式を買い取った方が
楽になると考える経営者も多いかもしれません。
以上のような権利が少数株主にもあります。
会社の経営者に対して牽制機能としては大きな意味があります。
注)上記については、機関組織(取締役会があるなしなど)によって少し取り扱いが変わります。
編 集 後 記
今回の話はどうでしたか?
少数株主にもある権利について記載しました。
経営者にとっては、権利を行使されたら厄介なことばかりです。
逆に少数株主にとっては、株式の価額を上げるために使える権利かもしれません。
弁護士は依頼者の味方です。
依頼をされた側の立場によって対応が大きく変わってきます。
相談をされる際には、会社法に詳しい弁護士にお願いすることをお勧めします。