あさぎり会計事務所の税理士の藤田です。
広島ではコロナの感染者発生が、日々数名程度と落ち着いています。
とはいえ、数名が発生している状況が気になります。
なかなか、0名にならないですね。
ワクチンが開発されても、このような状況は変わらないのではないかと思います。
これからは、寒くなり通年の風邪の流行る時期に入ります。これに合わせてコロナの感染者もまた
増加することが考えられます。
経営者として、コロナと共存したビジネスを模索していく必要があると考えています。
今回のテーマは、GO TO トラベル利用に関する会社の経理の話です。
正しく経理していないと消費税の納付で損をすることになります。
GO TO トラベルの経理処理
● 制 度 の 概 要
Go To トラベルの制度をご存知の方も多いのではないかと思います。
Go To トラベルとは、下記の制度です。
・旅行代金の35%が割引されます。
・旅行日に使える地域クーポン券が旅行代金の15%が付与されます。
・一人1泊当たり2万円(日帰り1万円)が上限です。
また、地方公共団体のプレミアム宿泊券や宿泊割引制度を併用して使うとかなりお得になります。
例えば、山口県の1泊の4人の宿泊で8万円の宿を利用した場合を考えてみましょう。
80,000円(宿泊代)-28,000円(35%割引)=52,000円
52,000円-25,000円(山口県のプレミアム宿泊券を利用)
注1
注1(事前にコンビニで50,000円の宿泊券を25,000円で購入)
=27,000円
なんと実際の支払額は、27,000円です。
さらに
80,000×15%=12,000円の旅行日限定の地域クーポン券が付与されます。
27,000円-12,000円=15,000円
80,000円の旅行が実質15,000円でできることになります。
かなりお得な制度です。
なので、会社の出張や社員旅行で利用される会社も多いのではないかと思います。
さて、この場合、経理処理はどうなるでしょうか?
● 経理処理
Go To トラベルの利用における経理処理は少し複雑になります。
実際の現金の取引のみの仕訳では、消費税の納税で会社が大きく損をすることになります。
わかりにくいので、先程の例で社員旅行をした場合の経理処理を説明します。
1. 山口県のプレミアム宿泊券をコンビニで購入
レミアム宿泊券(資産計上) 25,000円/ 現金 25,000円
(50,000円の宿泊券を25,000円で購入)
2. 宿泊先での支払い時
福利厚生費(課税仕入) 80,000円
/ プレミアム宿泊券(資産計上分) 25,000円
/ 雑収入(不課税)25,000円(プレミアム宿泊券)
/ 雑収入(不課税)35,000円
( Go To トラベル割引)
の経理処理になります。
実際の現金の支払額は、25,000円なので
旅費交通費(課税仕入)25,000円 / 現金 25,000円では間違いです。
この場合、法人税は利益に課税する税金なので、あまり影響がないですが、
消費税の税額控除が、80,000円分と25,000円分で大きく違ってしまい、会社が損をすることになります。
3. 地域共通クーポンで飲食をした場合
福利厚生費(課税仕入) 12,000円 / 雑収入(不課税) 12,000円
この仕訳は、現金が動かないので、会社の経理上漏れやすいです。
また、地域共通クーポンは、会社に付与されるものなので、個人的な使用の場合には、給与課税、
役員の場合には役員賞与になります。
編 集 後 記
今回の話はどうでしたか?東京などのへ出張が多い会社などが、
Go To トラベルを利用された場合、間違って経理すると消費税の計算が大きく変わって
納税額で損をすることになります。
前回のメルマガで記載した雇用調整助成金の経理処理についても同様ですが、
正しい経理知識を身に付ける必要があります。