おはようございます。
あさぎり会計事務所の税理士の藤田です。
少し前から家庭菜園をしています。まずは、キュウリとトマトとゴウヤを育てています。小さい実は沢山なるのですが、なかなか大きくならないですね。今のところスーパーで買った方が安くすみます。
さて、今回のテーマは、節税や社会保険料対策として有効な確定拠出年金です。意外と知らない方が多いのではないでしょうか。
確定拠出年金とは
確定拠出年金は、公的年金の上乗せ年金です。
■確定拠出年金には、個人型と企業型の2種類あります。
<個人型>
個人が加入し、掛金は、個人が負担
<企業型>
企業が社員の為に加入し、掛金は、企業が負担
■現在加入されている公的年金の制度により、掛金の限度が変わります。
<掛金の限度額>
国民年金の場合(自営業者) 年81万6千円(月6万8千円)
厚生年金の場合で個人型の場合 年27万6千円(月2万3千円)
厚生年金の場合で企業型の場合 年66万円(月5万5千円)
※国民年金基金、厚生年金基金、確定給付企業年金に加入している場合には、掛金の限度額が変わります。
■加入年齢は、60歳未満です。
■運用
掛金の運用は、加入者自身です。
■受取形態
年金又は一時金
死亡の場合でも一時金で受け取りができます。
メリットとデメリット
<メリット>
■掛金が全額、所得控除又は法人の経費
個人型の場合→全額所得控除 所得税、住民税が下がります。
ちなみに生命保険の場合、いくら保険料を支払っても、年間4万円しか控除ができません。
企業型の場合→全額経費
企業型の場合には、法人税や社会保険料の負担が下がります。
給料体系の見直し、就業規則等の変更が必要になります。詳しく書くと長くなるので、詳しく知りたい方は、弊所まで直接お問い合わせください。
■運用益が非課税
確定拠出年金で資産運用する場合には、運用益は非課税です。
確定拠出年金は、銀行、保険会社、証券会社で取扱いをしています。取扱いをしているところにより運用先の商品が異なる為、どこで加入するかは検討が必要です。
■受取時の税制優遇
年金で受け取る場合→公的年金の取扱いになるので、公的年金等控除が適用される。
一時金で受け取る場合→退職金の取扱いになるので、退職所得控除等が適用される。
死亡で受け取る場合→相続税の対象になりますが、退職金の非課税(500万円×相続人の数)で控除があります。
■自己破産をした場合
自己破産をしたとしても、財産を保全することができます。
確定拠出年金は、自己破産をした場合において、差し押さえ禁止の財産になっているためです。
自己破産をしても、60歳になれば財産をもらうことができます。
尚、小規模企業共済も同様の取扱いです。
たとえば、企業型の確定拠出年金 年66万円 小規模企業共済 年84万を20年間、掛金を支払った後、自己破産をした場合でも、60歳で3,000万円(※1)を受け取ることが可能です。
※1 (66万+84万)×20年=3,000万円
経営者にとっては、大きなメリットですね!
<デメリット>
■自己責任で資産運用
自己責任で資産運用をしなければなりません。資産運用に失敗した場合のリスクがあります。
資産運用に不安がある方は、定期年金や国債など安定した商品もあります。
■手数料
個人型、企業型の両方とも手数料がかかります。取扱い金融機関等で手数料が異なります。尚、ネット関係の金融機関などは手数料が安いです。
また、個人型の場合、手数料は比較的安いですが、企業型の場合には、導入費用等にコストがかかるのでメリットがあるかどうかシュミレーションが必要です。
■解約できない
60歳になるまで、財産を引き出すことができません。
将来設計を立て、計画的に運用していく必要があります。
編集後記
確定拠出年金は、上記で記載したようにメリットの多い制度です。加入に関しては、下記の様な事を考慮し、将来のライフプランを考える必要があります。
・老後資金をどのようにして貯蓄するのか
・教育資金をどのようにして貯蓄するのか
・自宅は、賃貸なのか、購入するのか
・万が一のリスクに備えて保険に加入するのか
ライフステージによって、ライフプランは変わってくるので、定期的に見直しが必要です。
ライフプランニングを立てている方は少ないと思います。記事をご覧になったこの機会に、一度考えてみられてはいかがですか?
弊所では、無料でご相談を承っておりますので、是非ご気軽にお電話ください。
また、話は全く変わりますが、ふるさと納税についての注意事項です。
ふるさと納税について、住民税の計算をする際、ふるさと納税の寄付金の税額控除がもれているケースが市町村によってはあるみたいです。昨年ふるさと納税をされた方は、所得税の寄付金控除、住民税の寄付金税額控除が正しく計算されているか確認されてみてはいかがですか。