あさぎり会計事務所の山根です。
本日のテーマは「医療保険で節税」です。
概要
( 概 要 )
法人(会社)契約の医療保険に加入すると、
○ 保険料は会社の損金(経費)
○ 入院・手術等の入院給付金は会社の益金(収入)
が、原則的な取り扱いとなります。
なんだ~という感じかもしれませんが、某保険会社(ヒント:アヒル)から、
何と!何と!2年間の支払で、一生の保障がもらえる商品が発売されております。
勿論、2年間で支払う保険料は、法人の損金です。
そして、ポイントは保険料の支払いが終わった後に、個人に名義を変更するという、
何だか、嘘のような本当の話、プランです。
しかも、法人から個人への名義変更は解約返戻金となりますが非常に定額(注)です。
(注)入院給付金日額×10 ・・・ 入院給付金が1日1万円なら10万円
流れを整理すると、
○ 法人で医療保険に加入
○ 2年で保険料を支払う → 保険料は損金
○ 保険料の支払い終了後、どこかのタイミングで解約返戻金相当額で個人に名義変更
○ 個人は、ほぼ無償で一生の医療保険を受けることが出来る
( 具 体 例 )
実際、どれ位の金額になるか、私(年齢45歳)の例を記載します。
入院給付金日額1万円の場合で年間保険料130万円です。
これが、2年分を損金で落とすことが出来ます。
入院給付金の日額上限は原則2万円なので、
私の場合の例だと最高260万円を1年間で損金に落とせます。
加入人数を増やせば、結構な金額を損金にすることが出来ます。
尚、支払期間5年も可能ですが、保険料が少し割高(約7%)になります。
税務上否認されないのか
では、税務上否認されないのか? というのが問題として思い浮かびますね。
個人的な見解ですが、ギリギリセーフだと思っています。
ちなみに、販売の保険会社も絶対に大丈夫だとは断言していません。
ギリギリセーフだなと思う私の根拠は以下です。
○ 名義変更時に、税務上の規定である時価(解約返戻金)で変更している
○ 名義変更時には、保険料の支払いは完了している
○ 将来、必ず、個人が利益を得る保証はない(注)
(注)税務上、問題となるのは、法人で損金にしておいて、その後、個人に名義を変更し、
その個人が利益を受け、しかも税金を払わないというスキームです。
この件については、以前のあさぎり通信でもご説明したので詳細は省略しますが、
逓増定期を利用したスキームです。
法人で契約し、解約返戻金が少額な3,4年後に個人に名義を変更し、
その後解約し、少額な税金で個人が保険金を受け取る、というスキームです。
これは、法人で損金に計上し、個人で利益(保険金)を受け、
しかもその個人が税金を逃れるという、とんでもない内容です。
一部の外資系の保険会社がいまだに提案しているスキームです。
これは、税金逃れ行為(租税回避行為)だけのスキームで、クロだと思っています。
名義変更という観点からは、今回の「医療保険スキーム」も同じですが、
先にも記載した様な理由、特に、3番目の個人が利益を受ける保証がないという観点から
シロでいいのかな~と考えています。
病気にならなければ、払い損で、お金はほぼ戻らないですからね!
勿論、個人に名義変更をしなければ何も問題はありません。
ただし、法人契約の医療保険はお勧めしません。
保険金を受け取ると、法人の収入となり、
個人には「見舞金」として、多くても10万円程度しか渡せないからです。
編集後記
今回の話はどうでしたか?
少し気持ち悪さは残りますが、法人で利益が出ていて、
医療保険を払っている人や今から入ろうお持っている人には最適ではないでしょうか!!
法人の損金に落として個人に持っていける!
更に、何十年と支払い続けるのではなく、2年で勝負が決まるのも魅力だと思います。
私も加入しようと思っています。
今のうちかもしれませんよ!!
税務署がいつまでも許してくれる保証はありません!!
興味のある方は、弊所までお問い合わせください。