あさぎり会計事務所の税理士の藤田です。
今年のカープは6月に入り、急に負けが込んできましたね。
6月の成績は、6勝15敗2引分
現在は、ついに11連敗で4位になっています。
なぜ、5月はあんなに強かったのに、こんなに変わるのでしょう。
実力があるのにたまたま勝てないのか?
実力がないのにたまたま勝っていたのか?
ちょっと話が変わりますが、
サッカーの世界では、「オフ・ザ・ピッチ」という言葉があります。
試合や練習以外の行動の事です。
普段の日常生活(挨拶、整理整頓や清掃等)で出来ることしか本番の試合ではできない。
試合中での緊張、失敗、相手の情報整理など、
日常生活が影響し本番の試合にも出てしまうということです。
我々にとってもすごく大切な考え方だと思います。
カープの選手が、「オフ・ザ・ピッチ」ができていないのでしょか?
さて、今回のテーマは、所得拡大促進税制についてです。
近年、人手不足や物価の上昇などにより給料が増加している会社も多いのではないでしょうか。
今回は、そんな会社の方々に読んで頂きたい内容です。
制 度 の 概 要
所得拡大促進税制とは、
前年に比べて給料等が増加した場合には、
法人税額から一定額を控除することができる制度です。
制度の内容
下記に該当した場合には、
法人税額から下記の金額を控除することができます。
また、【上乗せ】の要件に該当することになった場合には
さらに10%多く控除することが出来ます。
この制度は平成30年4月~令和3年3月までに開始される事業年度が対象となっています。
【通常】
継続雇用者給与等(※1)が前年度比で1.5%増加した場合
↓
給与総額(※2)の前年度からの増加額の15%を法人税額から控除できる制度
【上乗せ】
継続雇用者給与等が前年度比で2.5%増加+一定の要件(注)に該当した場合
↓
給与総額の前年度からの増加額の25%を法人税額から控除できる制度
(注)一定の要件とは
教育訓練費が前年度比で10%増加していること
又は
経営力向上計画の認定を受けており、その取り組みが確実に行われていること
尚、この認定は、必ず決算期終了前に手続きをしないといけません。
上記の【通常】、【上乗せ】いずれにおいても法人税額の20%が限度額となっています。
用語の説明
※1 継続雇用者とは、前年度の期首から決算期末まで給与等の支給を受けた者で一定のもの
※2 給与総額とは、継続雇用者に限定されず、全従業員に支払った給与等(役員報酬は除く)
具体例
下記の設例の場合には、【通常】【上乗せ】において、次の金額が法人税額から控除されて納税額になります。
控除前の法人税額1,000万円
給与等の増加額 500万円(前期比較で500万円増加)
【通常】
算式
500万円×15%=75万円
<1,000万円×20%=200万円
納税額:1,000万円-75万円=925万円
【上乗せ】
算式
500万円×25%=125万円
<1,000万円×20%=200万円
納税額:1,000万円-125万円=875万円
※上乗せの要件に該当した場合には、
今回のケースでは、法人税額から50万(125万-75万)多く控除することができます。
編 集 後 記
今回の話はいかがでしたか?
法人税の税額控除の話なので、少し難しかったかもしれません。
税理士にお願いをしているから大丈夫と思われている方も多いかもしれませんが、
税理士が申告書を作成していても、税額控除を受けていない場合があるようです。
給料が増加している場合には、法人税額控除を受けたかどうか確認してみましょう。