★あさぎり通信vol.68 軽減税率による消費税還付

あさぎり会計事務所の税理士の藤田です。

9月に入りましたが、日中は暑い日が続きますね。

体調等崩されていませんでしょうか。

9月は、3連休が続きますね。

休みが多いことは良いことだと思います。

会社の経営者として、生産性の向上のための取り組みと働き方改革を行う良いきっかけになります。

私の専門分野である経理部門では、業務改善などにより効率化を図ることは十分可能です。

ただ、多くの会社ではまだ業務改善を行っていないような気がします。

さて、いよいよ消費税増税も来月に迫りました。

今回のテーマは、軽減税率の導入による消費税還付のお話です。

内容を詳しく説明するとわかりにくいので、なるべく簡単に記載しています。

詳しく知りたいという方は、あさぎり会計までお問い合せください。

制 度 の 概 要

令和元年10月からの消費税軽減税率導入により新たに下記の制度が導入されました。

「基準期間(2年前の課税売上高)における課税売上高が5,000万円以下の事業者で、
 仕入を税率ごとに区分することにつき困難な事情<(※1)がある場合には、
 令和元年10月1日から令和2年9月30日までの日の属する課税期間の末日までに、
 簡易課税制度選択届出書を税務署に提出した場合には、
 提出日の属する課税期間から簡易課税制度の適用を受けることができる」ようになりました。

※1 仕入を税率ごとに区分することにつき困難な事情は、程度を問わないことになっています。

つまり、仕入に軽減税率の対象の取引があれば該当することになります。

ただし、福利厚生費、交際費の様に一般経費になるような取引は、困難な事情に該当しないことになっています。

また、注意すべきことは、高額取得資産を取得した場合の簡易課税選択届書は、

著しく困難な事情の場合に提出が出来ることになっています。

新しい規定の為、具体的にどのようなケースなのかは今後わかるのではないかと思います。

制度趣旨としては、小規模の事業者が原則課税を行っている場合において、

軽減税率の導入により経理処理が煩雑となった場合には、

消費税を簡単に計算できる簡易課税を選択できるようにしたものと考えられます。

今までは、簡易課税を選択する場合には、

簡易課税を選択しようとする事業年度の開始日の前日までに提出をしないといけませんでした。

 具体的なスキーム

上記の内容ではわかりにくいので、具体的なスキームを考えてみます。

例:飲食店を営む新規設立法人で12月末決算法人が建物等を購入した場合

■ H31/1~R1/12までの1期目
1期目は、建物等の引き渡しが完了し、12月から営業スタート

■ 課税事業者選択届出書を選択し、課税事業者となり第1期に消費税の還付を受ける。

■ 第2期目に簡易課税選択届出書を提出

2期目以降は簡易課税申告により消費税を申告

上記の取引はわかりやすくするために簡潔に記載しました。

実際には、様々な取引を検討して行う必要があります。

必ずしも消費税還付が有利になるとは限りません。

編 集 後 記

今回の話はどうでしたか?

知らなかった方も多いのではないかと思います。

来月から消費税が10%になり、消費税の判断は、納税に大きく影響することになります。

対策をしていないと大きく損をする場合があります。