あさぎり会計事務所の税理士の山根です。
10月になり消費税の増税、軽減税率が始まりましたね!
しかし軽減税率については、上手く運用されるのか疑問しか残らないですね!
何処のお店とは言わないですが、お弁当を購入した人が、そのまま店内で食べているのを見かけたりします。
テイクアウトは8%で、飲食(店内)は10%というのは机上論で、
両方の取引があるお店では無理があると思います!
まあ、今後の当局の取り締まりも含めてどうなるのかを見て行きましょう!
また、広島ネタでは、カープがCS逃しの4位に沈みました。
来年以降の活躍に期待しましょう!
さて、今月のテ-マは「決算賞与」についてです。
予想以上に利益が出た場合の節税対策としてよく利用されますが、今回はその注意点です。
概 要
会社の業績が思った以上に良かった場合に、
税金を払うぐらいなら従業員に還元してあげようと「決算賞与」を支払う会社も多いのではないでしょうか?
この場合、
一定の要件を満たせば期末までに支給していなくても(未払)当期の損金(経費)が認められます。
一定の要件とは下記の全てを満たす場合です。
1. 支給額を各人別に、かつ、同時期に支給を受ける全ての従業員に通知すること
2. 通知した金額を、通知した全員に期末から1ヶ月以内に支給すること
3. 期末までに損金経理すること
実 務 上 の 注 意 点
1.税務調査で否認されるケ-ス
上記の3要件の1.に落とし穴があります。
落とし穴は、期末の通知時に在職していた人が、支給時には退職している場合です。
支給時には居ないので、通常その従業員に賞与は支払わないと思います。
何が問題なのか?!
居ないんだから払わないのは当然でしょ!
でも、これが問題というか落とし穴になる場合があります。
何が問題かと言うと就業規則の文言です。
一般的な就業規則には、「賞与は、支給日に在職する従業員にのみ支給する」となっている場合が多いと思います。
就業規則通りだと、支給時には居ない(退職者)人には、賞与を支給しません。
そうすると上記1.の要件の通知した全員に支給していない事となり、上記1の要件を満たさなくなります。
その結果、損金が認められなくなります。
では、対処方法ですが、
〇 就業規則を変更する
→支給日に在職する・・・・を
通知日に在職する・・・の様に変更する
〇 期末までに支給する
期末までに支払が完了していれば問題ありません。
ただ正直、税理士でもなかなか就業規則まで確認しないケースが多いと思われるので注意が必要です。
2.癖になる
1度支給すると癖になり、次の年に支給がない場合にクレ-ムになる場合がある。
良かれと思って支給したのに・・・・!
対処法としては、よくよく言うしかないでしょうね!
「今回だけで来年は分からないよと」
ただ人間、1年前の事なんて忘れるんですよね・・・
編 集 後 記
今回の話はどうでしたか?
決算賞与の落とし穴は、税務上の事よりも2.の癖になる事の方が問題かもしれませんね!
繰り返しになりますが、良かれと思った事が後でクレ-ムになったと、よく耳にします。
決算賞与の支給はくれぐれも慎重に行いましょう。