あさぎり会計事務所の税理士の山根です。
毎年の事ではありますがゲリラ豪雨が凄いですね!
数年前に広島も甚大な被害が出ましたが今年は九州方面など各地に被害が出ています。
この雨については地震と違ってある程度予期出来るので面倒でも避難する様にした方がいいですね。
それと河川の氾濫が気になり川を見に行くのだけは止めましょうね!
私も昔は、ついつい気になって大雨の時には、近くの川を見にいっていましたが最近は行かない様にしています。
何とかこの豪雨を乗り切れば梅雨も明けて夏本番になります。
熱中症に気を付けて暑い夏を乗り切りましょう。
さて、本日のテーマですが「電子帳簿保存法」についてです。
今更ながらの気がしますが、お客様からの質問が最近多いので不安な方は参照して下さい。
電子帳簿保存法
制 度 の 概 要
最近、関心が高いのはインボイス制度だと思いますが、「電子帳簿保存制度」についても
ソフトメーカ-などのCMをよく見ます。
CMなどを見ていると、システム変更しないと法律違反となり大変な事になる様な印象を受けませんか?
対応に困っていないですか?
結局、どうすればいいのか分からないので、弊所への問い合わせが増えている感じがします。
また、ネット等を見ても端的に説明してあるサイトが少ない気がします。
結論から言うと「電子取引」以外については今まで通り紙保存で問題ありません。
制度的には、電子帳簿保存法は、国税関係の帳簿や書類などの電子保存を認めるという法律になっています。
原則的には、「認める」だから強制でないのです。
本来、国税関係の帳簿や書類は、紙で保存するのが原則でしたが、紙の保存等にはスペースの
確保等の問題があり、これらを解消する為に、電子データでの保存を出来る様にしたのです。
したがって「電子取引」以外については、高いお金を出してシステム等を変えなくても大丈夫です。
電 子 取 引 の 対 応 に つ い て
次に、原則、紙保存が認められない「電子取引」の対応について解説します。
その前に、「電子取引」の用語の解説です。
「電子取引」とは、電子メールやFAX等で授受される次の様なもので具体的にはPDFなどです。
〇 請求書 〇 見積書 〇 納品書 〇 注文書 〇 領収書 など
これらについては電子データ保存が義務です。
したがって、PDFやFAXを紙で保存する事は認められません。
何だ!結局システムの導入が必要だと思われるかもしれませんが、下記の2つの事を行えばシステム導入は不要です。
〇 改ざん防止の為の措置を行う。
→具体的には、「事務処理規定」を作成する。
尚、事務処理規定の雛型は、下記国税庁のHPからダウンロ-ド出来ます。
国税庁HP:https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/0021006-031.htm
〇 PDF等の書類を「日付・金額・取引先」で検索出来る様にする。
→具体的には、表計算ソフト等で索引簿を作成したり、デ-タファイル名に
規則性をもって「日付・金額・取引先」を入力して保存すれば大丈夫です。
以上の対応で問題解決です。
しかし、電子取引が多い場合にはシステムを導入した方が楽でしょう。
帳簿や領収書など全てをシステム化すると高額になりますが、
「電子取引」だけのシステム導入であればメーカ-にもよりますが安価なものがありますので
ご検討下さい。
編集後記
今回の話はどうでしたか?
私がお伝えしたかったのは、今回の様に法律改正があった場合に、CMなどで煽られて高額なシステムを先走って導入しないで欲しいのです。
勿論、ペーパレス化・事務所スペ-スの確保・経理改善なども行えるのでシステム導入に断固反対している訳ではありません。 システム屋の言われるままにせず、まずは法律の内容を理解し、費用対効果をよく吟味して対応する様にして下さい。