あさぎり会計事務所の税理士の山根です。
急に寒くなりましたが体調の方はいかがでしょうか?
11月なので逆に今まで暑かったのが異常ですかね!
いずれにせよ体調管理には十分気を付けましょう。
さて本日のテーマは、「リビング・ニーズ特約」で保険金を受取る場合の注意点についてです。
聞いた事がない方もいらっしゃるかもしれませんが保険金の特殊な受取方法です。
「リビング・ニーズ特約」で受取る場合の留意点
●概要
まず初めに「リビング・ニーズ特約」とは、被保険者が余命6ヶ月以内と判断された時に、
生存中に死亡保険金を前払いで受取れる特約です。
この場合の税務上の取扱いは、非課税所得になります。
因みに、保険料の負担者が誰であっても非課税となります。
下記、国税庁のHP「リビング・ニーズ特約に基づく生前給付金」も参照して下さい。 https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/shotoku/01/03.htm
残された人生を有意義に過ごす為に使う事が出来ます。
尚、余命宣告期間以上生存しても返還等の必要はありません。
●実務上の留意点
「リビング・ニーズ特約」で受取った保険金を使い切らずに死亡した場合には、
相続税の課税対象となります。
更に、生前に受け取っているので、相続税の非課税枠(500万円×法定相続人)も利用出来ません。
相続税の非課税枠を利用する為に保険に入るケースもあると思いますが
折角の制度が使えなくなります。
一般的に、弱った体や気力の状態の中、旅行などでお金を使い切るのは難しいと思います。
したがって、「リビング・ニ-ズ特約」の利用は相続税的には損なのでお勧めしません。
逆に、気力等あれば最後の思いで作りに保険金を請求して使うのも良いと思います。
そうすれば精神的に豊かになり寿命が延びるかもしれないし、相続財産も減らす事が出来ます。
尚、保険会社の方は、非常にデリケ-トな問題なので
利用する方が良いか悪いかのアドバイスはしずらいと思います。
後で、損して保険会社のせいにしないようにしましょう。
編集後記
今回の話はどうでしたか?
先日、相続税発生後の相談で「リビング・ニ-ズ特約」を利用されているケースがありました。
結果だけ見ると、生前給付金は、ほとんど手つかずでした。
死亡後に貰っていれば相続税の非課税枠により相続税の基礎控除額以下に収まっていました。
私もその様な状態になったら冷静な判断が出来ないかもしれませんが、
良く検討してから利用しましょう。