あさぎり会計事務所の税理士の山根です。
早いもので今年も後2週間で終わりですね!
時が過ぎるのが早過ぎて嫌になりますが、今年やり残した事がないか再確認しましょう。
年末になって世間では政治問題でゴタゴタしています。
私が言っていけないかもしれませんが何だか納税意欲が減退します。
厳しい処罰と今後の対応を期待したい所です。
さて、本日のテーマですが、本メルマガでも何回かお伝えしましたが、
来年から改正される生前贈与の加算期間の制度についてです。
年内の駆け込み需要も含めてのご案内です。
生前贈与加算の対象期間の延長
制度の概要
相続税対策の鉄板と言えば贈与による財産移転です。
贈与税は年間110万円の基礎控除額があるので110万円を贈与している方も多いと思います。
この場合に、贈与した人が死亡した場合には、死亡前3年以内の贈与については、
相続財産に「持ち戻す」という制度があります。
分かり易く言うと、死亡前3年以内の贈与については無かった事にして
相続財産に含めて相続税を計算する制度です。
この「持ち戻し」期間が3年から7年に来年から延長されます。
実務上の留意点
本改正は、「2027年~2031年にかけて段階的に実施する」となっている為、
2027年まで、まだ4年間猶予があると勘違いされていませんか?
この2027年と言うのは「相続が発生した時期」です。
したがって2027年以降に相続が発生した場合には、3年以上遡って「持ち戻し」の対象となります。
尚、経過措置として、相続開始前3年以降の贈与については、贈与金額から
100万円控除した金額だけが加算の対象となります。
少し難しいかもしれないので国税庁のHPを参照して下さい。
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/pdf/0023006-004.pdf
(具体例)
2024年1月10日に贈与
2027年3月10日に死亡
現行では、贈与は死亡の日から3年2ヶ月前なので「持ち戻し」の対象になりませんが、
改正後では「持ち戻し」となります。
尚、これも勘違いされている方が多いのですが、
この制度は、あくまでも「相続人に対する贈与」です。
したがって、相続人で無い人に対する贈与は「持ち戻し」の対象外です。
具体的には、孫や義理の息子娘などです。
編集後記
今回の話はどうでしたか?
生前贈与を検討されている方は、来年以降の贈与からは7年の持ち戻しの対象
となりますので年内に行いましょう。