あさぎり会計事務所の税理士の山根です。
税務調査の秋ですね-
法人及び個人事業主の人を対象に税務署調査が行われやすい時期です。
税務署の事務年度は、毎年6月で終了し、7月に人事異動があり、少し落ち着いて盆が過ぎ、9月から本格業務開始という流れになっている為、秋から調査が多くなるのです。
そして、年が明けると個人確定申告の期間(2/16~3/15)は調査に着手出来ない取り決めがある為、それ以降の春に調査の時期がやって来ます。
秋に調査が来るか、冬、春に来るかは、決算月で決まっている様です。(詳しくは別の機会で書く予定です)
という事で本来、調査到来前の、8月とか9月に配信すれば良かったのですが、まだまだ年末までは続くので参考にしてください。
前置きが長くなりましたが、本日のテ-マは「税務調査で言ってはいけない言葉」です。
概要
この記事を書く前に、他の税理士等で同じような記事がないか、ネット上検索してみると、2012年9月の「税務弘報」の中に元国税調査官が書いた「調査官との心理的交渉術」という記事がヒットしました。その記事の内容に「調査官に言ってはいけない言葉とは?」として、以下の三つが出ています。
1.そんな何年も前の話おぼえているわけないでしょう!
2.全部顧問税理士と経理担当者にまかせている!
3.勝手に調べてくれ!
何故、言ってはいけないのかは、その理由が掲載されているので興味があればネットで調べてみて下さい。
あくまでも、私の意見ではなく人の意見なので割愛します。
ただ、個人的には、上記の2は私も同感ですが、逆に、上記の1と3は、特に言っても問題ないと思います。1については実際、何年も前の事を覚えてなければその通りに言えばいいし、3の「勝手に調べてくれ」と言っても、調査官は違法調査等になってはいけないので、勝手に調べる事なんて出来ません!
言ってはいけない言葉
私の考える、「これだけは社長言っちゃダメ」という言葉は3つあります。
1.前回の調査では言われなかった!何で前回指摘しなかったの!
何故言ってはダメかというと、まず税務調査の前提として、通常調査対象期間は3年分実施されます。その3年分を3日程度で調査します。3日程度では、全ての項目を隅々まで見るのは非常に難しいと思います。その結果、前回の調査で指摘されなかった事が、今回指摘されるという事は起こり得ます。
しかも、現在は法律が改正され、通常の調査でも5年分出来る事になっています。
さあ、ここで「前回の調査では言われんかった」と叫ぶと、
調査官から「失礼いたしました!それでは、前回の年度分も含めて5年分の修正をお願いします」
という事になりかねませんよ!!
言いたい気持ちは、私(税理士)も含めて分かりますが絶対言っちゃダメです
2.俺は知らん!全部先生と経理担当者にまかせているから!
このフレ-ズもつい言いたくなりませんか?
特に、現場、営業に忙しい社長さんは・・・
これを言っちゃうと、調査官は、
「あ-この社長は何も分かってないんだ-」
とか
「社長が何も知らないんなら従業員が不正な事してるかもしれないな-」
結果
「こりゃ-きっちり見ないといけないな-」と思われ、非常に心証が悪くなります。
また、税務調査ではないですが、銀行にお金を借りる時に、このフレ-ズを言う社長さんがいますが、同じく絶対NGです。
自分の会社の事が分かっていない社長にお金を貸しますか!
そんな会社、人には、お金を貸さないでしょう!
3.お前ら税金を取るだけ取ってロクな使い方してないじゃないか!
言いたい気持ちは凄く凄く分かりますが、税務署は、適正な申告の指導、徴収が仕事です。
徴収した税金の使い道を決めたりは出来ません。
この言葉も非常に心証が悪くなるでしょうねー
編集後記
税務調査官も人間です。上記の言葉は、言えば気持ちがスッキリするかもしれませんが得する事はないですから絶対に言わない様に気を付けましょう。
また、税務調査関連のネタは他にもあるので、随時、掲載します。